ゆるやかTV blog

TV好きのゆるやか感想ブログです

見せたいものと見たいものの剥離がひどい「下剋上球児」

 下剋上球児(TBS/日曜夜9時〜)


こんなにも見たいものと剥離のあるドラマも珍しい!1話の感想でも書いたけど日曜劇場、野球、鈴木亮平で心に響かないってどう いうこと!?
プロデューサーや監督が狙ってやっていることが全て裏目に出ている感じ。球児以外の大人たちの物語にフューチャー、1話2話は球児たちの1ショットを外す、迫力あるシーンにするため試合の場面でアニメーションをはさむ。おかげで野球、甲子園、鈴木亮平で見たかった熱さや爽快感が全くないぞ。
球児以外の大人たちの物語をフューチャーするのは日曜劇場として悪くないとは思うけど(VIVANTのように少ない出演シーンでもキャラクターの感情を見せることができるのだから)、南雲先生の教員免許偽造の設定は明らかに必要なくない?全てにおいて正義を求めているわけではないけれどインスパイアされただけでノンフィクションとはいえ、原題の「下剋上球児」に関わった方々にも誤解が生まれそうだし、高校野球というモチーフで必要だったとは思えないなぁ。

制作側からすると高校野球というよりは間違いを犯した人間がどんな風に生きなおすかが本題のドラマだったのかな?だとしたら南雲先生が教員免許偽造するまでの流れをもっと丁寧に描くべきだよねぇ。じゃないととても山住にだけ真実を伝えて困らせたり、いくら続けてくれるように頼まれたからって3年間学校を騙し続けたり、言いづらいだろうけど嫁に一番に真実を話さないとか、 南雲って人自身が気持ち悪いのさ。教員免許偽造って罪を認め教師を辞めた絶望の淵で球児たちと出会い監督として人として成長していくって話だったらまだ感情が寄り添えたかもしれない。
TVerで球児のオーディションの特集をしたり、球児役の子たちに期待している感じを出しているのに彼らの良さを伝える前に3年生は卒業だし、日沖兄弟の傷害沙汰も兄弟、仲間、学校が1つにな れる感動チャンスだったのに南雲の闇に気が散ってあっさり終わった~。このままだと球児たちの名前も顔も覚えないうちにどんどん卒業していってしまう可能性大。「ルーキーズ」では名場面になった足の速い生徒のくだり(関川が陸上部ぶっちぎるところ最高!)や、ピッチャーの球が速すぎてキャッチャーが捕れないくだり(若菜と桧山の友情に泣ける)なんかも同じなのに、「下剋上球児」では遠くから説明見させられてるよう感じでさらっとしすぎててよー、脚本か?演出か?撮り方か?なんなん?見てる側が一生懸命面白さを見つけようと頑張って少し感じとれるくらいよ 。
監督やプロデューサーが野球シーンはどうしても同じような場面が出てくるから迫力を出すためにアニメーション入れたって言ってた けど、余計なことしたよね。監督さんたちは野球に全く詳しくないようだからこんなことになったんだろうけど、そもそも野球アニメだって野球シーンが実写より面白いってわけじゃないんだぞ。ドラマのタッチがポップで野球の試合シーンをおもむろにアニメにしちゃうとかならわからんでもないけど。
さぁ、南雲先生が自ら警察に出頭したけど、次週はさらに辛め展開かな。見てくのしんどくなってきたな〜。面白くなる日がくるのだ ろうか。頑張ってオーディションに合格したニチアサ俳優たちに日の目があたる日が来るのか、もうそれしか興味ないよ。